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Vol.85 無限の可能性を信じて…

 実は私、何回か転職を経験しています。(職種は常に“モノ書き”ですが)
 最近はあまり抵抗がなくなったようにも感じますが、やはり日本では、数回、
 会社が変るというのは「歓迎」はされないようです。
 しかし、立場が変ると、それまでに見えなかったこと、気付かなかった点が、
 よくわかるようになります。
 いかに、それまでの自分が「わかったつもり」でいただけで、本当は「わかっ
 ていなかった」かということを気付くことができました。

 それと同時に、自分のキャリアは、“一瞬”だけで判断してはいけない。
 そう思わせてくれました。
 もし、自分の仕事は「これしかない」と、一つのことに決めてしまっていたら、
 新しいことを学ぶことはできなかったかもしれません。
 一度きりの人生ですから、いろいろな経験をした方がいいというのが、普通の
 人よりは多くの経験をしてきた私の考え方です。

 もちろん、その一方で、「一つのことに打ち込む」生き方も素晴らしいと思い
 ます。
 ことに日本ではその傾向が強く、複数のことがらで結果を出している人を、
 “器用貧乏”と揶揄したり、“浮気性”と蔑んだり…
 残念ながら、こういう考え方をする人が少なくないような気がします。

 たとえばスポーツの世界を見てみましょう。
 「トライアスロン」という競技の名前を聞いたことがある人は多いと思います。
 水泳・自転車・マラソンの三種目すべての成績で競うレースで、1974年に、
 アメリカで初のトライアスロンが開催されました。
 正式に競技化された大会は、1978年のハワイが最初です。
 今でも、世界大会(ワールド・チャンピオン・シップ)は同地で開催されるほ
 ど、ハワイでは伝統の競技となっています。
 当初はマラソン・自転車・水泳の順で行われていましたが、水泳が最後では、
 溺れる人もいて、「安全上、好ましくない」とされ、今は、逆に、水泳・自転
 車・マラソンの順番で行われています。
 2000年のシドニー五輪からオリンピック種目となっているトライアスロン。
 日本でも嗜む人は多くいると思います。
 しかし、デカスロン(十種競技)という競技があるのをご存知でしょうか。
 優勝者には“キング・オブ・アスリート”の称号が与えられるという、欧米で
 は大変人気のあるスポーツです。
 “キング・オブ・アスリート”の栄誉を受けるためには、走力(短距離走・中
 距離走)、投てき力(砲丸投げ、円盤投げ、槍投げ)、跳躍力(走り幅跳び、
 走り高跳び、棒高跳び)といった、それぞれ相反する身体能力を要する競技す
 べてにおいて、決められた2日間で成績を残さなければなりません。
 そして、ときには十種競技の記録が専門競技者の成績を超えることすらあるそ
 うです。 
 日ごろ、どのような鍛錬を積んでいるのか、どんなスケジュールでトレーニン
 グしているのか、とても興味があるというか、想像しただけで気が遠くなって
 しまいます。
 しかし、残念ながら日本ではあまり人気のある競技とは言えないようです。 

 また音楽の世界でも同様のことが言えます。
 欧米のミュージシャンは複数の楽器を“究めて”いる人が多く、あるバンドで
 はギタリストとして、また違うバンドではドラマーとして、まったく“別の顔”
 で活躍しているケースは珍しくありません。 
 一方、日本ではアマチュアの時点から、ギタリストはギターのみ、ドラマーは
 ドラムのみをやっていればいい。
 そう考える人が大半だと思います
 これはミュージシャンとしての「力量」云々ではなく、「考え方」の違いでし
 ょう。 

 どちらがいいかを論じる気はありません。
 「多芸な人」も「一芸に秀でた人」もそれぞれ尊敬に値すると思います。
 一つのことに打ち込めない人間が、別のことに目を向けるのは“中途半端”だ!
 そういう意見にも頷けます。
 人生は、たった一度しかありません。
 でも、何度でもやり直しはきくんです。
 自分の中に潜んでいる、無限の可能性を信じて、いろいろなことにチャレンジ
 してみてはいかがでしょうか。

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