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Vol.83 感謝される仕事

 はじめまして。
 今回からコラムを担当させていただきます、OZZYと申します。
 名前の由来はおいおい明らかにしていくとして、簡単に自己紹介をさせてい
 ただきます。

 私は、ジャーナリズムの専門学校を出た後、出版社や業界紙などで勤務し、
 ライター・編集者として、様々な人と接してきました。
 大きな会社の社長から、個人でやっている職人さんまで。
 常に"人"と接する仕事をしていて感じるのは、1対1で向き合った時に、地位
 や肩書き、そして会社の規模は、さほど関係ないということです。

 仕事というものは、結局、一人でやろうと、1万人でやろうと、「誰のため
 にするか」が大切だと思うのです。

 自分のためにするのか。
 会社のためにするのか。
 それとも、お客さんのためにするのか。

 お客さんといっても、いろいろあります。
 直接、関わる消費者。
 取引してくれている業者。
 お金を出してくれているクライアント。
 誰に、プライオリティを置いて仕事をするべきなのでしょうか。

 今、このコラムを読んでいただいている皆さんは、福祉業界で仕事をしたい
 と考える人が多いと思います。

 実は、私の義弟(妻の弟)は、「血液型不適合」という病気で、生まれつき
 右半身が麻痺状態にあります。

 「たぶん十歳までは生きられないでしょう」

 医師にそう宣告された両親は、目の前が真っ暗になったといいます。
 義父も身体が強い方ではなく、義弟が3歳の時には病に伏せがちでした。
 心身ともに頼れる人がいなくなる中、義母はあきらめませんでした。

 「絶対に、あきらめてなるもんか!」

 そう誓った義母は、医者に頼らず、自分一人で息子の「障害」と向き合いま
 した。
 きっと、心細かったことでしょう。何度も、打ちのめされたことと思います。
 特に義父が亡くなった時(義弟が中学進学の年)には、絶望さえ感じたはず
 です。

 義弟は今年、43歳になります。
 右半身は今も不自由ですが、ちゃんと定職に就き、一人暮らしをしています。
 もちろん、通院をしていますし、薬を欠かすこともできません。
 あまり感心しませんが、お酒が大好きで、たまにカラオケにも行きます。

 初めて会った時は「大丈夫なのか」と、私も心配しましたが、自立させるこ
 とで、かえって病気の進行を遅らせられるんだそうです。
 今、彼は、「母親」という存在を超えて義母に感謝しています。

 そういう経験をしてきたせいか、今、私の妻はヘルパーをしています。
 高齢者の方を中心にお世話をさせていただいていますが、たまにとまどうこ
 とがあると言います。

 それは、ヘルパーを雇うことに"抵抗"を感じる人が少なくないからです。
 本人もそうかもしれませんし、家族など周囲の人も同様です。
 本来は家族が世話をするに越したことはないのだと、私も思います。
 しかし様々な事情でヘルパーを雇わざるを得ない人がいることも事実なんで
 す。

 もし、皆さんがこれから福祉関係の仕事を「やってみたい」と志すなら、そ
 ういったすべての人から感謝される人になって欲しいと思います。

 例えば、高齢者介護で考えた場合…

 お世話する人が気持ちよく、何でも頼める人。
 家族の方が心苦しくならないように、気を配れる人。
 近隣の人が、変らずその人に接することができるように周囲に馴染みやすい
 人。
 急な仕事の依頼にも、笑顔で対応できる人。

 「仕事ができる人」というのは、実はコミュニケーション能力に長けている
 人のことを言います。
 (すべての人とまでは言いませんが)周囲の人とうまくやっていける人こそ
 が、社会では評価されますし、特に「福祉」という、"人"と関わる仕事にお
 いては、もっとも望まれる要素なのではないかな、と思います。

 仕事でも、プライベートでも、同様だと思いますが、"幸せ"や"喜び"は、で
 きるだけ多くの人と分かち合いたいですよね。

 「福祉」の仕事というのは、人から「感謝される仕事」です。
 たぶん辛いことも多いでしょうし、投げ出したくなる時もあるでしょう。
 でも、そういう時には、誰かの「笑顔」を思い浮かべて、乗り越えてくださ
 い。
 その「笑顔」の先には、必ず、もっと多くの「笑顔」があります。
 たぶん、そんな仕事は、そう多くはないはずです。

 そういう仕事を志す皆さんは、是非とも誇りとやりがいを持って、できるだ
 け多くの人に「感謝」されるようになって欲しいと願っています。


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