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Vol.69 見合いサイトに学ぶ「履歴書」の書き方
 前回に続き、見合いサイト話に付き合って頂きたい。ただし、今日のテーマ
 は、読者の福祉学生諸君にも関係ある。
 履歴書の書き方、である。

 だれもがバイト面接を始め、就職活動をする際には、履歴書を書く。
 生年月日や出身学校であれば、事実を書くだけだから簡単だ。
 問題といえば、自己アピール力を問われる「志望動機」の欄くらいだろう。
 そう、それだけのことなのだ。なのに何故、君たちは一体何年、生きてきた
 のだね、と口にせずにはいられないほど、見合いサイトに登録している男性
 陣のプロフィール欄には、ある意味で、目を見張るものが多かった。

 以下に「例文」を記そう。男性との出会いを求める女性の気持ちになって、
 読んで頂きたい。いずれも冒頭の、新聞でいうと見出しか前文(リード)に
 あたる部分の文章だ。
 「私は妻の浮気で離婚しました。まじめに生きてきたので精神的にショック
 を引きずっています」(37歳)
 いきなり、心の傷を告白されたって。ワタシはカウンセラーじゃないよ、と
 思いませんか。そんなことが、「最初にアピールしたいこと」なのか、この
 人は(この嘆きは以下同文)
 「歳を重ねるにつれて人は何故恋愛に慎重になってしまうのだろう・・。30
 代いや40、50だって10代20代の頃と同じスタンスで恋愛出来る物だと思って
 いますされど現実は・・・(苦笑)」(41歳)
 いきなりボヤキか。ぼやかれたくて見合いサイトを眺める女性は、いない。
 「見ていただきありがとうございます。特に自慢できる事はありませんが」
 (35歳)
 これもとても多いパターン。文字数に制限のあるリード欄に、なぜ、意味の
 ない感謝の念をあえて書く?この時点で人事部なら、履歴書をはねるはずだ。
 「つまらない男かも知れません。正直女性と話すのも下手です。なので僕か
 ら相手の方に求めるものは、ありません」(36歳)
 相手に求めるものは、なにもないって、だったらオンナなら誰でもいいの?
 そりゃつまらない男と読んだ人が思うでしょうが!
 謙遜なのかバカにしているのか。次の例もよくあるパターンの一つ。
 「えと、特に特徴は特にないです。゜(゜ノ∀`゜)゜。アヒャヒャ」(32歳)
 笑われても、読んでいる方は苦笑するだけだ。
 掲載の顔写真に、ウインク顔の写真を載せている人も印象深かった。目立っ
 てこそ多くの女性に自分のプロフィールを見てもらえる、との考えだろうが、
 気味が悪いだけなのに。

 男性の悪文ばかりを連ねたが、じゃあ女性はどうなのよ、とみなさんは思う
 だろう。
 女性は見事に、「履歴書としてパーフェクト」な人ばかりだったのだ。
 「心情告白」パターンもなし、「ぼやき」もなし、妙な「感謝」もなし、ま
 してウインク写真などとんでもない。写真を載せている人はみな、メイクも
 ばっちり、顔の角度まで計算しつくされた感のある、その人の魅力をアピー
 ルするのにもってこい、な写真ばかりだった。
 私だけがこのような読後感を持つのかと思い、見合いサイト経験者の友達に
 聞いてみたら、彼女も言った。
 「そうそーう!男は、及び腰だったり何が言いたいのか分からない文章がイ
 ッパイだけど、女はばっちり過不足なく書いているのよ。
 社会人軍団と小学生たちが見合いしろ、と言われているみたいだったよ」

 もちろん、小学生でない男性も、いる。どんな仕事をしていて、どういう女
 性が好みかという見合いサイトに登録すべき必要事項を過不足なく、好感の
 もてる表現で記している人も、いる。
 でもな。そういう人にはメールが殺到しているんだろうな。返事、来なかっ
 たよ。ガックリ。

 考えても、なぜ男性に稚拙なプロフィールが多くて、女性はきちんと書いて
 いるのかという理由は、分からない。自分を表現するのは女性の方が得意だ
 から、といった一般論で片づけてよいとも思えない。企業で採用面接をする
 人はたいがい「女子学生が優秀だ」と口を揃えるが、その背景と同じなのだ
 ろうと思う。

 自己アピールのための書類には、自分がどういう人間かをきちんと書くべき。
 これはしごく当たり前の基本動作についてだ。
 どういう人間か、は具体的な事実を挙げて表現するのが、ベストだ。だから
 「妻に浮気され」じゃ、「男の魅力が乏しい」と暗に言っているようなもの
 だし、「特徴は特にない」じゃ話にならない。
 見合いサイトなら「何の仕事をしているか」が最重要事項だし、就職やバイ
 トなら、「その仕事に役立つであろう自分の強みは何か」を書く。
 福祉の仕事なら、スポーツをしていたので体力はある、とか、学生時代のボ
 ランティア体験から介護の仕事に目覚めた、といった動機であるとか。

 漠然と「夢」を語ったり、過去のトラウマを語るのは、絶対にやめよう。

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