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Vol.68 恋愛市場で自分の現実を知る



 福祉メルマガ読者のみなさんは、まだ結婚を意識する年齢ではないだろう。
 でも5年か10年か、そう遠くない将来、結婚問題があなた方にものしかかる。

 結婚の前段階として、恋愛がある。今日の話は、決して他人事ではないのだ
 よと、先に釘をさしておこう。

 年収の低い男は結婚率が低い、といった「格差社会」関連の論者が言うのを
 聞いては、私は反発を覚えていた。同じ低年収でも人それぞれ、年収が低け
 ればそれをカバーする魅力を自分で「開発」すればいいじゃん、と。それは
 つまり、「年収」とか「身長」「学歴」といった条件ばかりで女は男を見る
 わけではないし、男も同じ事でしょう、ということで、恋愛における人間性
 重視の価値観から、私は反発していたのだった。
 でも最近、見事にその鼻っ柱をくじかれ、へこんでいる次第だ。

 私はまもなく、n十代の大台にのる誕生日を迎える。残念ながら、独り身だ。
 20歳のころは、まさか自分が一人でn十歳の誕生日を迎えるかも、なんてつ
 ゆほども考えなかった。
 「誰でもいいからつきあっちゃえば、いいじゃない?誕生日までに」と若干
 18歳の女が言った。この女は、彼氏が途絶えたことのない10代を過ごしてき
 たらしい。
 「あ、でもその年じゃ、きついか。誰でもは」。むかつくが、事実そうだ。
 誰でも、という訳にはいかない。するしないは抜きにしても、結婚という
 問題を避けては、これから恋愛に取り組めない年代だろう。
 だが、彼女にいわれて考えた。出会いがないないと言いながら、私は誰かと
 出会おうと努力したのだろうか。
 否。ではその努力というものを、誕生日を期限に、いちどしてみればどうだ
 ろう。
 そうだ。思いついたのは、お見合いサイトだ。年の近い女友達の3人が試し
 ている。
 結果は・・。「本当にロクなのがいなかった」が1人、「運命と思って交際
 に至ったけれど二股かけられていた」が1人、「結婚を前提に付き合ってい
 る」が1人。
 つまり66%が不成功に終わっているけれど、33%はいい線いっている。
 私はいちおうライターだから、自己アピールは得意(のはず)、それに「大
 台」に乗ってしまう前の方が、自己紹介欄を見た男性の食いつきもいいので
 は?

 さっそく2つのサイトに登録したのだった。登録にあたり、私は、2つの方針
 というか目標を立てた。
 その1。外国人を狙おう。理由は、日本人のウェットな嫁姑関係をこなす自信
 は私にはないからだ。
 その2。日本人なら、年収は私の倍以上の人を狙おう。嫁姑や家の人間関係を
 、生きていくための仕事と割り切るなら、今の私の仕事×2くらい報酬(?)
 をもらってもいいんじゃないか。
 ここまで読んだ方は、お前、言ってることがもう食い違っているじゃないか
 と思われるだろう。その通りである。いざ、自分が「どんな人と(誰と、で
 はなくて)結婚したいか」と問われ、その条件を書き出すと、恋愛における
 人間性重視の価値観とは、まるで相容れないものになってしまう。条件条件、
 ひたすら条件だ。
 登録サイトに書きこみしながら、我ながら嫌になってきた。でもだからって、
 最初から、私このくらいでいいです、と願い(条件)を口にしないのはよく
 ないんじゃない。
 このようにつらつらと考えながら、2つのサイトに登録したのだが・・・。
 10日経った現在のところ、結果は、惨敗である。
 自分の事を棚に上げて、の条件を書き連ねた割には、外国人からのメールも
 来たし、お医者さん、弁護士さん、役員さんからのメールも来た。
 半ば仕事そっちのけで、返事を書いた。
 それでも、ある瞬間からパタっとメールが来なくなってしまうのだ。なぜか。
 顔である。写真なのである。
 2回ほどメールを交換した後に、「では写真を交換しましょう」とデジカメ
 写真を添付した直後から、返信が途絶えてしまうのだ。
 これは盲点だった。顔に自信があるわけではないが、n十代直前の顔には、
 どうしても小じわが映ってしまう。ご丁寧にも、700万画素のファインモード
 で撮った写真を、各殿方へ送りつけていた私である。
 もちろん、自分でチェックしましたよ。自分の顔だから、まあ、こんなもん。
 それにいずれ会うんだから、しわが映り込んだ顔は承知で、受け入れてもら
 わないと−−。
 甘かった。こちらが高い条件を書き連ねているのと同様に、奴らにも、条件
 というものがあったのだ。当たり前だが。
 それは若さ、という条件。女のつきつけられる条件とは、キャリアとか、年
 収とかじゃなくて、あられもないこの若さというヤツらしい。

 福祉メルマガ読者のみなさんに、私は教訓を垂れたいわけではない。ただ、
 この年になってあらためて、結婚の現実を突きつけられてガクゼンとするよ
 うな、間抜けなn十直前の姿をお見せして、それぞれで考えて頂きたい。
 そういえば、18歳のガキはこうも言っていた。
 「私だったらその年で独身だったら、仕事で『勝ってる』な」。
 このごろの子は、勝つ、負けると人を簡単に判断する。この子はどうやら、
 私が仕事で勝ってはいないと判断しているらしい。これまた生意気な。
 みなさんは、少なくとも、福祉の仕事に真摯に取り組んで、「勝って」いた
 だきたいと思う次第である。
 (「勝って」はあくまでカッコ付きだ。何が勝ちか負けかなんて、本人が決
 めることだと、これは確信もって思っているからね)

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